1月20日はバリトンサックス奏者でピアニストのジェリー・マリガン氏の命日
1996年68歳で死去
Night Lights – Gerry Mulligan (HQ)
Gerry Mulligan – baritone saxophone, pianoArt Farmer – flugelhornBob Brookmeyer – valve tromboneJim Hall – guitarBill Crow – bassDave Bailey – drums
ジャズ界では数少ないバリトン・サックス奏者であり、ピアニストしても知られる。
1940年代末には、後にアルバム「クールの誕生 (Birth of Cool) 」として録音がまとめられたマイルス・デイヴィスのビッグ・コンボに参加、バリトンサックスでの演奏の他、「ジェル (Jeru) 」「ミロのヴィーナス (Venus De Milo) 」などの作曲などを担当する。そのほか、モダン・ジャズ・ビッグバンドの代表的存在であるスタン・ケントン・オーケストラにも編曲を提供した。
1952年、カリフォルニア州に移り、トランペットのチェット・ベイカーらとピアノレスカルテットを結成。わずか1年間の活動であったが、リズムセクションに鍵盤楽器が必須とされていたジャズの世界に於いては画期的な出来事であり、この動きがアメリカ西海岸におけるウエストコースト・ジャズの顕在化につながっていくことになる。マリガン・カルテットのデビュー・アルバムである「Gerry Mulligan Quartet」は、「バーニーズ・チューン」などが収められ、大きなヒットとなった。マリガンはウエストコースト・ジャズの中心的人物として西海岸に拠点を置きつつ、ベン・ウェブスター、デイヴ・ブルーベック、セロニアス・モンク、ズート・シムズらと交流を深めていった。
1956年、ニューヨークに戻り、セロニアス・モンク等と共演。1958年には、映画『私は死にたくない』に出演している。
1963年にはアート・ファーマーらをメンバーに招き、リーダー作「ナイト・ライツ (Night Lights) 」を発表。1950年代のプログレッシヴな作品とは異なった静謐なスタイルが貫かれており、彼の代表作となる。ちなみにタイトル曲では、マリガンはピアノを演奏している(後年、CDのボーナストラックとして1965年にマリガンがクラリネットを演奏したテイクも収録されている)。
1980年代に入るとフュージョン色の強い音楽性を指向するようになり、「リトル・ビッグホーン (Little Big Horn) 」などのフュージョンアルバムを発表するようになる。この頃に世界ツアーも行っている。
他に共演者はジーン・クルーパ、チコ・ハミルトン、ボブ・ブルックマイヤー、ジーン・クイル等が挙げられる。