12月7日は 俳優 大川橋蔵 氏の命日(1984年55才で死去)
はしぞー
二代目 大川橋蔵。1955年(昭和30年)、マキノ光雄の誘いに応じて東映に入社。デビュー作は『笛吹若武者』。東千代之介・中村錦之助・市川雷蔵・大川橋蔵の四人は、「二スケ二ゾウ」と呼ばれ、橋蔵も若手時代劇スターを代表する一人として昭和30年代の日本映画黄金時代の立役者となっていく。
特に『若さま侍捕物帖』や髪形を総髪にして中性的な主人公像を具現した『新吾十番勝負』シリーズなどが当たり役で、『海賊八幡船』などの大作もある。本人は素顔は頑固な理論派であったが、美形剣士スターとして娯楽に徹したといわれ、町人やヤクザを演じていても武士のような品の良さを醸し出す演技だった。しかし大島渚監督作品の『天草四郎時貞』以降、そのイメージを破りリアリズムに徹した演技にも挑戦している。
昭和30年代後半に東映がヤクザ映画に路線転換していくと、舞台やテレビに活動の場を移した。私生活では映画で共演した女優・朝丘雪路との噂も報じられたが、祇園で馴染みの芸妓であった沢村真理子と1966年(昭和41年)3月に結婚した。その年の5月からフジテレビで『銭形平次』が放映開始。映画では長谷川一夫主演によるシリーズで知られるが、以後終生にわたる当たり役となった。
1984年(昭和59年)4月4日、『銭形平次』が最終回を迎え、18年間で888回に及ぶ長期シリーズに終止符を打った。この時点で「1人の俳優が同じ主人公を演じた1時間ドラマ」としては世界最高記録となり、ギネスブックに認定されている。最終回には、デビュー作で共演した美空ひばりもゲスト出演している。
『余談』
このブログを運営している私の人生初の映画は、母に連れられて観た『新吾十番勝負』だと記憶している。
主な出演
映画
- 若さま侍捕物帖シリーズ(1956年 – 1962年)
- 1956年 『若さま侍捕物手帖 べらんめえ活人剣』、『若さま侍捕物手帖 地獄の皿屋敷』、『若さま侍捕物帖 魔の死美人屋敷』
- 1957年 『若さま侍捕物帖 鮮血の晴着』、『若さま侍捕物帖 深夜の死美人』、『若さま侍捕物帖 鮮血の人魚』
- 1958年 『若さま侍捕物帖 紅鶴屋敷』
- 1960年『若さま侍捕物帖』
- 1961年 『若さま侍捕物帖 黒い椿』
- 1962年 『若さま侍捕物帖 お化粧蜘蛛』
- 新吾十番勝負シリーズ(1959年 – 1964年)
- 1959年 『新吾十番勝負』、『新吾十番勝負 第二部』
- 1960年 『新吾十番勝負 第三部』、『新吾十番勝負 完結篇』
- 1961年 『新吾二十番勝負』、『新吾二十番勝負 第二部』
- 1963年 『完結篇 新吾二十番勝負』
- 1964年 『新吾番外勝負』
- 草間の半次郎シリーズ(1957年 – 1960年)
- 1957年 『喧嘩道中』
- 1958年 『旅笠道中』
- 1959年 『おしどり道中』
- 1960年 『草間の半次郎 霧の中の渡り鳥』
- 紫右京之介シリーズ(1963年 – 1964年)
- 1963年 『右京之介巡察記』
- 1964年 『紫右京之介 逆一文字斬り』
- マミー・トミーコンビ
- 1955年 『笛吹若武者』(デビュー作)、『旗本退屈男 謎の決闘状』
- 1956年 『おしどり囃子』、『ふり袖太平記』、『ふり袖捕物帖 若衆変化』
- 1957年 『大江戸喧嘩纏』、『ふり袖太鼓』
- 1958年 『丹下左膳』、『花笠若衆』
- 1959年 『忠臣蔵 桜花の巻 菊花の巻』、『水戸黄門 天下の副将軍』、『血闘水滸伝 怒濤の対決』
- 1961年 『幽霊島の掟』
- 1962年 『お坊主天狗』
- 1963年 『勢揃い東海道』
- 平安物
- 1956年 『曽我兄弟 富士の夜襲』
- 1959年 『紅顏の密使』
- 1961年 『富士に立つ若武者』
- 1962年 『恋や恋なすな恋』
- 忍者
- 1961年 『赤い影法師』
- 1964年 『風の武士』
- その他
- 1956年 『江戸三国志』三部作
- 1959年 『恋山彦』、『血槍無双』、『雪之丞変化』
- 1960年 『大江戸の侠児』、『海賊八幡船』、『炎の城』、『壮烈新選組 幕末の動乱』
- 1961年 『赤穂浪士』(浅野内匠頭)、『月形半平太』
- 1962年 『大江戸評判記 美男の顔役』、『天草四郎時貞』(大島渚監督作品)
- 1963年 『この首一万石』
- 1964年 『御金蔵破り』、『幕末残酷物語』
- 1965年 『バラケツ勝負』(橋蔵が主演した唯一のチョンマゲでないヤクザ映画)、『大勝負』、『任侠木曽鴉』
- 1966年 『旗本やくざ』(この映画を最後に、テレビへ移る)
- 1967年 『銭形平次』(テレビ版銭形平次の人気を受けて制作)
テレビドラマ
- 『銭形平次』(1966年 – 1984年、CX / 東映京都) – 銭形平次
- 時代劇スペシャル(CX)
- 『沓掛時次郎〜この愛に命をかけた流れ旅 』(1981年4月17日 / 東映京都) – 沓掛時次郎
- 『荒木又右衛門 決闘鍵屋の辻』(1982年5月14日 / 東映京都) – 荒木又右衛門
- 『平岩弓枝ドラマシリーズ 蝶々さんと息子たち』(1984年5月 – 6月、CX)